野母崎地区で水産教室
今日は野母崎の半島の一番端にある小中一環の青潮学園に行って参りました。
長崎地区漁業士会の皆さんによる、小学校6年生の生徒たちへ向けた水産教室が行われたのです。
以前もうみとぴあに出ていただいた三浦さんが、本日のスピーカーとして、子供たちに野母崎の漁師さんの働きについてお話しされました。(【野母崎】おおとり丸 三浦尋生さん)
(「野母崎に生きる人をもっと知ろう!〜水産業ってどんな仕事?」というタイトルでお話しされる三浦さん)
漁師さんって稼げるの?
「漁師さんって稼げるの?」との質問を、以前の水産教室の時に投げかけられた三浦さん。
お魚を捕るだけでは稼げないから、自分で売りに行くことをしたり、飲食店を出したりという形で、漁業の周りの産業へと踏み込んでいかれたというご自身の経験について語られていました。
時期によっても漁獲量には変動があるまさに自然相手のお仕事。
野母崎でこれまでに獲った魚の種類は300種類を超えるとのことで、みんなその数の多さにびっくり。
南方系の魚から北国で獲れるような魚まで、写真を交えて見せてくださいました。
生徒さんたちは皆さん、一番大きな魚は何?とか一番美味しい魚は何?というように、ナンバー1を知りたいようでしたが、こうしたことは時期によっても大きく変わるということで一概に言えないことを丁寧に説明されていました。
海の中は変わってきている
最近では温暖化の影響で、これまで長崎で見かけなかったお魚も獲れるようになってきたとのこと。
この写真も、沖縄で有名な「グルクン」というお魚です。
海が変わると獲れる魚種も如実に変わってきます。
地球の変化を日々感じられるお仕事なんだなと思わされました。
アニサキスは適切な処理があれば怖くない
三浦さん以外にも野母崎・三和漁協から岡部組合長をはじめ、お二人の漁師さんが来られていました。
教室終了後、皆さんと少しお話をさせていただき、アニサキスの話題で盛り上がりました。
これだけ最前線でお魚を食べておられる皆さん、一度はアニーに苦しめられたことがあるかと思いきや、皆さん無傷で乗り越えてこられたツワモノどもばかり。
しっかりとした処理があれば、アニサキスを過度に怖がらなくても大丈夫なんだと少し安心した次第です。
野母崎の子供たちはお魚が大好き
岡部組合長から生徒たちに「美味しいお刺身をたべていますか?」との質問が。
これには意外なほど多くの生徒たちが元気に手を挙げていました。
「お肉の方好きな人」という問いかけにもパラパラと挙手がありましたが、野母崎地区ではお魚の方が優勢。
これには漁師の皆さん、顔が綻んでおられました。
家庭から魚食が遠ざかってしまわないように、水産教室においては魚をさばく体験なども行われています。
今回はコロナ対策として、そうした体験型の授業ができませんでしたが、これから様子を見ながら体験型の教室も行っていくとのことでした。
新鮮な体験とそこに生まれる感動は、私たちの行動を変えてしまうほどの大きな力を持つことがあります。
小さな取り組みと思えるようなことでも、子供たちの体験としていつまでも記憶に残るようなことが水産教室などを通して散りばめられていくと良いなと思います。
三浦さんはご自身の活動の中でも、子供たちと魚からかまぼこを作る体験会もされています。
長崎市からガイドブックのプレゼント
最後に、長崎市水産部の方から生徒たちに数冊のガイドブックが配られました。
一つは「くじら料理」についてのガイドブック。
いくつものレシピが載っています。
くじらを扱うお店のリストも掲載されていました。
子供たちも美味しそうな写真を食い入るように眺めていました。
長崎で獲れるお魚について詳しく書かれたデータブックと、お魚の美味しいお店のガイドブックも配布されていました。
これらのガイドブックは学生の皆さんだけでなく、どなたでも入手可能であるとのこと。
興味を持たれた方はぜひ、長崎市役所にお尋ねください。
ガイドブックの配布、各地区での水産教室の開催なども含め、さまざまな方法で子供たちに「長崎の地場産業である水産業」を伝えようとしている皆さんの努力。
こうした取り組みがいくつも重なって、わたしたちの子供たちの記憶の中に「水産県長崎」の誇りが刻まれていくのかもしれません。