【野母崎】おおとり丸 三浦尋生さん

野母崎の三浦さん

先日、野母崎の漁師さん、三浦さんにお会いしました。

試験的に牡蠣の稚魚を育てていかれるとのことで、長崎市水産センターの村瀬センター長に同行させていただきました。

(▲写真左 村瀬センター長、 右 おおとり丸三浦さん)

三浦さんはこれまで実に様々なことに挑戦してこられた漁師さん。

こちらの記事でも三浦さんの活動がとても詳しく紹介されています。

いま食べたい -長崎県野母崎地区のイセエビ-

魚を獲るだけにとどまらず、自ら売る、料理して振る舞う、そして将来的にもワクワクする展開を思い描いておられます。

 

こちらの野母崎のおおとり丸は、三浦さんが経営されているお食事処です。
(▶︎ http://ootorimaru.com/)

今はお店はお休みされていますが、時期を見て再開されるとのこと。

三浦さんの海の幸を食べたことのある村瀬水産センター長も絶賛でした。
(ちなみに村瀬水産センター長は非常にグルメで美味しいお店を知り尽くすプロでもあります。)

再開が待ち遠しいですね✨

 

三浦さんご自身は非常に早い段階からブログを運営されたり、地元野母崎の活性化のための活動をしてこられる中で、文筆家としての一面をお持ちです。

野母崎生活のゆったりとした幸せな時間について書かれた文章は読む側の私までのんびりとした気持ちにさせてくれるものでした。

これからの三浦さんの展開はまた後日、発表とともにお知らせするとして、
今回は三浦さんから漁師さんの直面する課題などについて詳しくお話しを聞かせていただきました。

釣り人のマナーの問題が漁師の皆さんの頭を悩ませていることや、
新規に漁師を目指して入ってこられる方達の受け入れ方のこと。
また、魚の売り方の課題、そして海を航行する皆さんにとっての海に関するデータの集約についてなど、
日々の暮らしの中で直面されている痛みについて、教えていただきました。

 

 

長崎の水産業を肌で学ばせていただいて1年しか経っておりませんが、
今のままでそこに明るい未来が感じられるかというと非常に厳しいです。

消えていくのを見ていることしかできないのではないかとすら感じるほどの無力感を抱くこともあります。

それでもまだまだやれるはずだと感じていられるのは、お会いする方達が皆さん熱い思いを持って向き合っておられるからです。

皆さんからその静かなる情熱を分けていただきながら、自分にできることはないだろうかと手探りしつつ走っているところです。

牡蠣生産の光明

例えばこの「牡蠣」の生産。

これも、一つの明るい材料になるのではないかと思っています。

長崎市水産センターなど各地行政の水産施設において、海の恵みを取り戻し、漁業者さんの様々な取り組みが行われています。

その一つが稚魚の生産です。

どのような魚種がその地域に合うのか、どのように育てることが効果的なのかなど具体的な検証も行われています。

長崎県としては九十九島や小長井など、牡蠣の生産地として有名なところがいくつかありますので、

そうしたところに倣って生産量をアップすることができれば、市内にまた一つ、グルメを楽しむ場所が増えますね。

牡蠣の稚魚はこんなに小さいんです。

これがあのプリプリの牡蠣になると思うととても不思議ですね。

一方で、自然とともにある一次産業の難しさ

最近は大雨、長雨の影響で海水の塩分濃度が低くなり、そのダメージは二枚貝に大きく影響を与え、へい死が非常に多くなっているとニュースでも報じられています。

一次産業は自然と共にあり、環境の変化は収益と直結します。

抗うことができない大きな力の前に生計を立てていくことの不安定さなどを考えると、他にもより安定した職業などもある中で、一次産業を選択することが難しいのは当たり前の現実です。

けれど一次産業がしっかりと立っていないことは、国が倒れてしまうほどのリスクでもあると感じています。

ではどのようにこれからの一次産業を立て直していかなければいけないのか、現実をしっかりと見極めながら皆さんと一緒に未来のあり方を模索しなければなりません。

携わる一人一人にとってのできること、できないこと。

行政にできること、できないこと。

何が必要で、何が足りてないのか、どうしたら満たしていけるのか。

考えるのをやめず、皆さんの知恵が集結すれば、必ず光が見えてくるものと感じています。

これからも水産業に関わる皆さんに出会いお話を伺いながら長崎県の水産業を考えていきたいと思います。