皆さんご存知でしたか?
今回、長崎県漁連さんが主催するいりこの共販会に参加して来ました。
長崎市の丸尾町にあるこちらの建物で行われています。
このように漁協ごとに箱が並んでいます。
50箱のいりこにつき1箱がサンプルとして会場に並べられていました。
共販会とは入札に参加できる15社と主催する長崎県漁連さんとのいりこの入札制度です。
この15社は古くからの実績ある企業さんとなっており、県漁連さんからの認定を受けた企業だけが参加できます。
この企業さんの落札したいりこが、全国のだしやいりこに関わる企業や団体などに卸されていく仕組みになっています。
長崎県下全域から集められたいりこが並びます。
この日は17,000kg取引がありました。
満月の頃は月のために集魚灯の効果が少なくなるため、漁に出られない日が数日続きます。
漁師さんはその満月付近の頃のことを「月夜間」と呼ぶのですが、
この日は月夜間に近かったこともあり、漁獲量も少なかったようで17,000kgが入札にかけられていました。
広い会場にはおだしのいりこの香ばしい香りが漂っていました。
いりこの見分け方を教えていただきました。
下が良いいりこ、上が質の落ちるいりこです。
良いいりこというのは脂が少なく、皮がピタッとくっついていて剥がれていない青みのあるいりこ。
上のいりこは少し茶色がかっており、皮が剥がれていて、脂のために少しベタベタとします。
しかしこの従来は質が落ちるとされてきた脂の乗ったいりこですが、
最近では煮干しラーメンの出汁として重宝されるようになりました。
こうした、これまでの利用とは別のニーズが高まったことで、さらに煮干しの価値が底上げされている状況なのだそうです。
確かに、見ているだけでも骨が出てしまっている茶色の煮干しは、出汁にすると濃い味が出て美味しそうに見えました。
長崎県でも平戸松浦のある県北地域の方が水産業が盛んです。
いりこの原料となるカタクチイワシやマイワシ、サバなど、さまざまな種類のいりこが並んでいます。
これらは元々、巻網漁でいっぺんに漁獲されたもの。
これらを加工元となる方々は種類別に分別していりこを炊きます。
とても手間のかかる作業のはずです。
原料となるいりこの漁獲量はその時々によって変わります。
そうした分別作業をしてくれる加工元の方々の仕事が切れないように、保存したいりこの量を加減しながら作業を続け、出荷されているようです。
漁によっても年によっても漁獲量は変化します。
年々、減少していると言われている漁獲量。
私たちのテクノロジーは進化していますが、海の中のことを把握することもコントロールすることもできません。
海洋資源の未来に暗雲が立ち込めていると言われている昨今、
このままではいりこ生産の未来にも翳りが見えています。
生産量日本一の長崎県のいりこ産業を守っていかなければなりません。
「守らなければならないんです」との職員さんの言葉が重く響きました。
輸出に対応するためにはHACCPに対応した設備を備えた施設が整えられなければなりません。
そうしたことも含めて、今後のいりこ産業が未来に向かって整っていくことを見守っていきたいと思います。