大村には有名なガラスの砂浜があります。
どうしてあそこだけガラスの砂浜なんだろう?
インスタ映えのため?
実は大村湾の海の事情ととても深い関係がありました。
Yahoo!ニュースで取り上げられていたこちらの記事をご紹介します。
なぜ浜辺にガラスを? あるべき海の形を取り戻す取り組み
本来、漁獲量が減れば我々が食べるものも減るので、流れ込む栄養量も減るはずですが、現代では人間は外から魚介類を輸入して食べることができます。そうすると、海から取り上げる栄養量と海に流れ込む栄養量のバランスがおかしくなってしまう。その結果、海の中に栄養が取り残され、大村湾のようなメタボリックな状態になってしまいます。
大村湾は、他の海と違い閉鎖性が高く水が入れ替わりにくいため、栄養がたまりやすい環境だったのです。
アサリが定着してくれる環境づくりの実験を2010年から開始しました。アサリの赤ちゃんが着底する海岸の条件は、1mm前後の粒径の砂があることです。
陶磁器や廃ガラス、コンクリート、牡蠣の殻など粒径を揃えやすい素材を候補にしています。
コンクリートは匂いとアルカリ性が強すぎたり、牡蠣殻は崩れやすいなどの問題があったりして、最終的には粒径を揃えやすく環境にも優しいガラスが残りました。
ということで、大村湾自体がメタボリックな状態になってしまったため、そのバランスを取り戻す秘策としてガラスの砂浜が取り入れられたようです。
他にもさまざまな素材でテストされたことが伺えます。
詳しくは記事を読んでいただければと思います。
最後にこの一言をご紹介。
大村湾は長崎県しか接していません。それは大村湾は私たちが守っていかなくてはいけない海であるということです。
有明海も玄界灘も、どの海も私たちの財産である貴重な海です。
その中でも長崎県民にとって大村湾はいつも凪いでいる穏やかな海。
ここの海だけは長崎県しか接しておらず、私たちが守っていかなければいけない海、なんですね。
大事なことを知ることができました。
海の豊かさを取り戻すために20年以上も前から環境保全に取り組んできた長崎県。
行政の1つの取り組みとしても、単なる映えるガラスの砂浜ではなく、命を育み、人々の憩う場所を作ろうとする温かな事業であることがわかりました。